PBFDについて -たみこの経過-

2000年の2月にデパートのペットショップで、たくさんのヒナ達と一緒にケースに入れられ、多美子は売られていました。
生後2週間程の、特別問題の無さそうなヒナで、購入後何ヶ月は何事も無く、すくすく育って行きました。

何となく異変に気が付いたのは、生後1年を過ぎた頃で、とにかく小食で、他に飼っていた鳥と比べると、
多美子を指に乗せてもずっしりとした重さがありませんでした。
でも、まだその頃は元気に飛び回っていたので、愚かな素人判断で、「きっと、多美子は食の細い、痩せ型の子なんだわ・・・」
としか思いませんでした。

それから少しずつ、ゆっくりと多美子の羽の生え方がおかしくなり、かろうじて飛んではいるのですが、
尻尾の1番長い羽がいくら待っても生えて来なくなり、ずん胴の何だかおかしな風貌の鳥となっていました。

2才を間近に向かえた頃、多美子が他にケガをした事もあり、ようやく重い腰を上げ、近くの犬猫動物病院へ行きました。

その動物病院は犬猫専門だったのですが、電話での問い合わせの時、小鳥も診察可能と言う事で、
先生はパッと多美子の皮膚を見て、「皮膚病です。お薬を飲めば羽が生えてくるから、そんなに心配いらないですよ。」と
力強い言葉口調でおっしゃって、すっかり私は安心したのでした。

ケガの方の化膿止めと、皮膚病のためのお薬を飲みました。ケガの方は化膿もせず、あっと言う間に治りました。
が、羽は相変わらずでした。その時すでに、小鳥専門の病院の事を知っていたのですが、「皮膚病」と信じて疑わなかったので、
近くの犬猫病院で治るものを、わざわざ遠い小鳥専門病院に行く必要はないと勝手に思い込んでいました。

ところが、急激に多美子の足の力が弱くなり、肩に乗っていても、しっかりとまれずスルッと床に落ちてしまうのです。
さすがに青くなり、丁度その頃買ったPCで小鳥の病気の事を調べ上げました。
聞いた事もないような恐ろしい病気の事や、小鳥や鳥類は専門のお医者様でないと詳しく診れないと言う事も知りました。

やっと小鳥専門の病院に連れて行くまで、2年4ヶ月もかかってしまいました。



1番目の小鳥専門病院

まず先生が多美子を診察しておっしゃられた事は、
「まだ検査をしていませんが、この鳥の症状はPBFDと言う病気に間違いありません。」
と、きっぱり言われました。あまりのショックで激しく動揺してしまいましたが、すぐに検査をしました。
(この時多美子の受けた検査は糞便、羽毛検査(2002/6/16)、血液検査(首、2002/6/29)です。)

検査の結果は陰性で、陽性反応は出ませんでしたが、先生は「検査結果は陽性反応が正しく出ないけど、
多美子ちゃんの症状はPBFD以外考えられません
」との事でした。

また、この頃の多美子は非常に神経質で、 私が少し動いたり、物音をたてたでけでもびっくりして飛び上がったり、
何の前ぶれも無く、いきなり私の手を血が滲むまで激しく噛み続けたり、
常にイライラビクビクとした感じでした。
先生も、「病気のせいで、とても神経質になっているのです。」と教えて下さいました。
PBFDのグネグネと気味悪くカールした特長的な羽毛が目立っていたのもこの頃です。

約3ヶ月 お薬 を飲みましたが、とうとう回復せず、投薬は終わりました。
ボロボロに欠けていたクチバシや足の爪は、綺麗に伸びてきたのですが、
長く、太い羽は生えて来てはくれませんでした。

もうこれ以上の投薬は今度はこの お薬 に関しては、副作用が出てしまうそうです。mmmmmmmmmmmmm

今後は健康診断に来て下さいと言われました。



2番目の小鳥専門病院

3才を迎えた多美子は、すっかり風切り羽も抜け落ち、羽質もバサバサで全体的にボロボロした印象だったのですが、
相変わらず元気でした。2月の終わりに突如無精卵を出産し、その後お尻の上側に大きな膨らみと出血があり、
慌てて1番目の病院に行こうと思ったのですが、あいにく休診日で、急遽、別の小鳥専門の病院に行きました。

お尻の膨らみは油を出す穴が詰まり、大きなこぶが出来て、それを多美子がつつく為に出血したそうです。
これも3回程の通院ですっかり治りました。
こちらの先生に1番目の病院で、もうPBFDの治療が打ち切られた旨をお話した所、また違うお薬があるとの事で、
すぐに再び検査と治療をお願いしました。
(この時受けたのは羽毛検査(2003/5/17)のみ。)

検査結果は陽性でした。やはり、確実に多美子はPBFDだと言う事が証明されてしまいました。







検査結果 陽性1 検査結果 陽性2


その時の 陽性結果が出てしまった時の検査報告書です。
向かって左が医師用のようで、専門的な難しい記述と、右が飼い主へのコメント。
画像クリックで読めます。実物は一枚の用紙にまとめて記載されていました。






もう1度、最初1番目の病院で飲んでいたお薬を少し飲み、現在、別のお薬を投薬中です。
本来ならばこちらの病院でのこのお薬での基本的なPBFD治療法は、
高い頻度で病院へ通い、注射を打つそうなのですが、
多美子はもうかなりPBFDが進行してしまっていて、注射跡の傷口からも危険があるかも知れないので、
毎日飲んでいる飲み水に混ぜての投薬となりました。

この新しいお薬を飲んで3ヶ月程たった時、バサバサだった羽がいつの間にかしっとりした感じになり、
頭の黄色や、背中の微妙なエメラルドグリーンの羽も出て来て、今まで消えていた頬のスロートスポットも現れました。
PBFDは換羽のたびに症状が重く進行して行く病気(慢性型)
と先生がおっしゃっていて、換羽が来て、艶やかな羽が少しでも生えて来たと言う事は、病気の進行とは逆の方向に行っていると言う事なのだそうで、
最近は少し希望が持てるようになりました。
何より嬉しいのは、今だに元気で走り回っている事です。
心配していた副作用も、今の所、出ていません。





たみちゃんは漢方での治療も併用していました。 こちらもどうぞ。





PBFDの方は順調に薬の効果が現れ始めているのですが、今、多美子は発情を繰り返し、困った事に卵詰まりを起こします。ああ
卵詰まりも非常に怖く、危険なので、毎日心配ですが、
陰転、完治の希望をあきらめず、
この子の為にありとあらゆる努力とベストな治療を続けて行くつもりです。





お薬のみ初め直後 お薬を飲み初めて半年後
新しいお薬を飲み始めた直後の多美子
換羽でもないのに1年中開ききらない筆毛と
色が抜けたようなツヤのないバサバサの羽
H.15年5月
投薬を始めて半年後・・・
全身の羽にしっとりツヤが出て、
チークパッチの濃紺の色もはっきりして来ました。
H.15年12月